ライラが上の者によって『天界』に強制連行されてから数日は経った。あれから香奈と関谷は仲直りし、前以上のラブラブさに磨きが掛かっている。その裏で高野が二人のキューピット役になっていたとは殆どの人が知らない。
ここんとこずっと高野は学校や家でぼんやりと過ごす日が多い。失恋の傷はまだ完全に癒えた訳ではないが、それよりも何だか心細かった。胸にぽっかりと穴が開いている。高野の中でライラの存在が大きくなっていた。皮肉にもいなくなってからその事に気付いた。恋愛感情とは少し違うが、掛け替えのない大切な人だ。前の生活に戻ると凄く寂しかった。
「ライラさん……」
高野は中庭のベンチに座って独り言のようにぽつりと最近まで一緒にいた天使の名を呟く。ライラは『天界』に帰ってもう二度と会う事すら出来ない。もし上が会える機会を与えてくれるのならば今度は色んな話をしてみたかった。相手の事を殆ど知らないのでプライベートの話でもしながらライラの事を知りたかった。
「また会いたいな……」
『また会いましたよ』
すると何処かで聞き覚えのある女の子の声が上からしたので高野は一瞬動作が止まった。
「まっ、まさか…その声は……」
高野が恐る恐る顔を上げるとそこにいたのは何と『天界』に連れ戻されたライラだ。
『お久し振りです! 良介さん!』
ライラはにっこりと微笑みながら言って地に足を付いた。
「どうしてライラさんがここに……!?」
目の前にはもう二度と会えないと思っていたライラがいるので高野は正直驚きを隠せない。
『「審議会」での処分が下されたばかりなんです。良介さんの恋を成就させるまで「天界」に戻ってはいけないことになったんですよ。 プロのキューピットになれるまでの間、良介さんの御世話をさせて頂きます。 良介さん、改めて宜しくお願いします!』
一方、『天界』では二人の様子を遠くから見守っている男がいた。
「これがラストチャンスだからな」
問題児にはいつも冷や冷やされていたが、『審議会』で資格剥奪は免れたのでサイファは一安心した。
これからも遠くで二人を静かに見守り続けていた。
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- 2007/08/13(月) 00:00:25|
- ANGEL HEART|
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