もしも、自分の目の前にメイド服を着た女の子がいたら、どうする?
授業が終わった。季節の方は夏から秋へと移りゆく中、放課後、周りは近々行われる一大イベントの準備にせっせと追われている生徒もいればその傍らで秋にある大会へと精を出す生徒が多くいる中、それとは全く関係のない俺は横目で軽く素通りさせていた。特にこれといった部活動に入っていないからその帰りに何処か寄りたい所がない日にはそのまま真っ直ぐ自分が暮らしているマンションへと足取りが自然と向かっていく。
帰りは行きと違って何処か足取りは軽い。学校とは往復で五十分も掛かる距離にある。
マンションは五階。その一室にある飯坂(いいさか)という手書きで書かれた札が掲げられているドアを開けるとそこには――。
「あーっ、海里(かいり)、お帰り」
「ただいま」
玄関で出迎えてくれたのは俺の母さんだった。普段ならこっちが嫌だ〜って拒絶しても人の権限などを全く無視するとそれは大袈裟なまでに手を大きく広げてお帰りなさ〜い、と口にしてぎゅーっと苦しいぐらいにハグしてくるのかと思いきや、今日は日常の挨拶を忘れる程、それ以前に余裕そのものがないのか、何処かバタバタしている。
俺は普通に呆れた。
……またか。普段は口酸っぱく常に余裕のある行動を、とか何とか言っているくせにいざ自分の事となるとこの人は……。
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- 2006/10/31(火) 21:47:45|
- ぼくのメイドさん|
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