もうそこにはふつふつともどかしい怒りが湧き起こってくる。この感情を声にして言えないのが腹立たしい。もしもここを馬鹿正直に言ったら〈マリーちゃんってやっぱりえろ〜い〉って暫くはこのネタにあたしをからかいの対象にする水瀬くんが容易に想像できてしまう。
もう〜っ、水瀬くんもまた何て事を言ってくるのよ!そんな事を言われてしまうとこっちが意識したくなくたって変に意識して目がいっちゃうじゃない!水瀬くんの馬鹿っ!馬鹿!大馬鹿っ!!
例え水瀬くんであろうと届く事のない胸の奥深い底ではえらい大騒ぎをしてここでは一人大変な事になっているのに一方でその時のあたしは凄く目線が落ち着かないように感じた。
もうずっとそういうのには一切無縁な生活を送っていたから変に敏感。あれから誰一人も特別な人を側には置いてなかったし、恋人=男じゃなくて恋人=仕事の環境になっているから。
そう、そこには変な想像を掻き立てられてしまう自分がそこにいる。何日もかけて貯めた巨大お風呂に一人独占して浸っている彼。静かにゆらゆらと揺れるぼやけたその先には……。
きっとあたしの知らないカレがそこにいるのは間違いなかった。隠す範囲が狭い競泳用のパンツにはパンパンに膨れ上がったはち切れんばかりのマグマがひっそりとその下に潜んでいる。
「へぇ…」すると突然感心した声を揚げてきた。「そうなんだ」と、水瀬くんは一人で納得した態度をしてくる。
「な、何が?」
あたしは一瞬どきりとした。全く本心の読めない顔。慌てて騒がしかった心を落ち着かせようととそう胸に心掛ける。
「今のマリーちゃんってすっごく可愛い〜。そういうところで反応するなんて意外とうぶなんだね。顔が真っ赤になってるよ。 やっぱり嫌でも想像しちゃった?俺ってさ、他の奴等と見比べられるとよくでかいなって言われるんだよね。それは俺も自覚している。俺のおっきなチンポ」
などとからかわれる始末。それは一瞬にして表情が緩んで今の水瀬くんは口元をにやにやとして凄く意地悪な表情になっている。
あたしは口をあんぐりと開けてしまった。もう手遅れだ。……やっぱり無意識に出てしまったか。そのような部分を出したらいけないいけないって意識すればするほど却って逆効果を生んでしまっていた。
「水瀬くん!茶化さないの!そんな下品な事を言って先生をからかうなんて!何て事を言ってるのよ!」
間違った事を認めさせる訳にはいかなかった。水瀬くんの誤りはきちんと正そうとあたしは真面目に注意した。
「でもほんとの事じゃん。こっちは嘘なんか吐いてないし、からかう気なんか全くないよ。だったらマリーちゃんの方じゃない?」
「なっ!何であたしが」
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- 2007/12/30(日) 23:56:12|
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言おうとした、あたしは。水瀬くんの抱く間違った事が手遅れとならぬ内に対処しておかなければいけない。あたしは水瀬くんに全てを諦めて貰おうと今も癒えずにいる封印の紐を解いていき、自らの口からあの日以来ずっと閉ざしていた過去の重い扉を開けようとした。
だが、それは瞬時に周りに漂うこの異様な空気を感じ取ったのか、あたしが受けた過去の傷跡を口にする前に彼の言葉によって遮られてしまい、あたしはすっかり言うチャンスをみすみす失ってしまった。
「ふ――ん」
その場で水瀬くんが何故か口元をにやにやとさせてあたしを見ているから何やら嫌な予感がした。そんなに水瀬くんとの付き合いが長くなくてもどの先生よりも毎日顔を合わせているあたしの勘がそう言っている。
「さっきの言い方、何かやらしいね。いけない子ね、なんて。そんな風にマリーちゃんに言われてしまうと俺のチンポがゾクゾクしてくるな。マリーちゃんの声って何かエロすぎだよね」
すると本人は至って真面目な様子だったのだが、すっかり真顔で言われてしまって事の矛先を向けられたあたしは絶句した。
「!!!!!」
んなっ!
それは思い掛けぬ反応にあたしは驚いた。思わずその場で一歩引いてしまい、一度は決心した過去への扉を言い出せないだけに飽き足らず、あたしは何も声にして言い返す事が出来なかった。
あたしは一瞬でもその言葉に反応して迂闊にも胸がドキドキしてしまった。それは次第にどくんどくん、と胸の音色を変えて激しく叩き付けてくる。あくまでも自然に、言葉としてさらりと口にしてきたから。
あたしは何だか悔しかった。この状況を目の当たりにして。もしかしたら……して、やられたのかもしれない。
ふふん、と鼻で小さく笑う水瀬くん。してやったりとそういうのを得意とするのが水瀬くんだ。
「…………………………」
これは顔に出て水瀬くんに見られてないないだろうか。あたしは内心冷や冷やしていた。唯一、自分の顔を鏡でしか見る事が出来ないし、今は確認すら出来ないから凄く心配だった。
ああ〜っ、もうっ!何でこうなるのよ!!
もう頭の中ではパニックにすら陥ってしまう。ふと気が付いた時には自分の力ではもう軌道修正の出来ないところにまで進んでしまい、それはいつものように彼のいいような流れへと向かっており、やっぱり今回もまた水瀬くんの手の内から逃れられないのは確実である事を悟った。
お尻に黒い尻尾がにょきっと生えた悪魔・水瀬くんの姿が脳裏に過ぎってくる。にやにやと勝ち誇った表情を浮かべて何とも嫌味な表情。そんな彼が現れてきてあたしは慌てて自分の領域から追い払った。
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- 2007/12/27(木) 23:31:08|
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それはある意味致命傷ともいう。うーーん、一応あたしのサイトって「ちょっぴりえっちな」なのにその「えっち」となるものに対してフリーズを起こしてしまう事が多い。
多分、そのシーンに突入した途端、速度も一気に下がる。ジェットコースターで例えるとがたがたと上がっていって頂上に辿り着いた途端一気に下がっていく感じ。終わるまではずっと平行線を辿っていてのろのろしています。
本当なら何もない方がその分楽だったりするんだけど、どうもあたしはすけべらしい(爆)。書くのは大変だけど結局好きだったりするんだよね。本当に嫌なら多分書かないだろうし。
しかし、他のサイト様は凄いねって思う。数はそんなに多くはないけど色々と読んでいてどういう風なのか一応学んでいる筈なのにあたしは全然学習していないから。
どうしたらそんな風に書けるんだろうって思う。あたしの小説ってちゃんと少しでもえっちになっていますか?にやりとさせられていますか?少しでもえろくなっていますか?
あたしって誰に問い掛けているのだろうか?
自分に一体何が起きたのか…。
今日はずっと前から知っていたサイトがあったんだけど、それまでちゃんと読んでいなかったので熱心に読んでいました。
イラストも描ける人らしい。すげぇぜ。
- 2007/12/26(水) 00:01:11|
- 水谷ゆかの独り言|
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です。本当にタイトル通りですよ。一応…毎日更新を売り(?)にしているのにね。こんなにも間が開くなんてどういう事だ、と。
特にこの間はこれといって辛い事が起きたとかそんな事は一切ありませんよ。ただわたわたしていた(それはいつものこと)。昨日はサイト版の更新をやっていたんだけど、ブログまでは回らなかったので昨日はやらなかった。
ちょっとパニックだよ。今月の「only one」はぎりぎりになると予測している。どうも今執筆している作品の進み具合が余りよろしくないようで。スランプなのかな〜?
別に初めて挑戦するジャンルでもないのに。書いた事あるのにな。あともうちょっとだから最後まで頑張ろう。もう後半に入っているのにあのシーンに突入していない(大汗)。だけど暫し待たれよ〜。
あと、web拍手。まだやっていない。それ以外にも色々と頭の中では妄想が膨れ上がっているから消えぬ内に早く書きたいなー。
ほんと頭ではテンポはいいよ。もうぽんぽん進んでいるのにいざ書くとのろり亀さんペースとなってしまう(涙)。
ここ最近はどろんちょさんが多いです(ブログ更新しないから)。一年の中で一番慌てているのかもしれない。毎日がハラハラドキドキだね。
- 2007/12/22(土) 23:50:44|
- 水谷ゆかの独り言|
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一人の優等生としては明らかに間違った事をしている。そう、彼はいけなすぎる想いを抱いている。それなら今まで彼がしてきた事も自ずと納得がいく。今まで正しく歩いてきた真っ直ぐな道から大きく逸れて。あの時からもずっと変わらずにただ一途に抱き続けてきた事を。あたしはそっと下唇を噛み締めた。
許されないものに目を向けてどうするのよ。何もここは男子校でもないんだし、学校には同世代の可愛い女の子とかがいっぱいいるじゃない。なのにどうしてここに行き着いたりするのよ。
しかもこのあたしに。水瀬くんと同じ顔をする男のした事にずっと悩まされ続けて今も彷徨っているというのに。
全てを言ってしまおうか?
不意にもう一人の自分が出てきてあたしの耳元でそう囁き掛けてくる。勿論、あたしの過去をだ。誰にも言えず、例え親しい友達であっても一切相談すら出来ずにずっと胸に仕舞い込んでいた辛い記憶。
多分それしか方法はないよ。
あたしは息を呑んだ。それは一か八かの大きな賭け。もしもそれを言えば彼は素直に諦めてその身を引いてくれるのだろうか。
〈マリーちゃんの事なんか嫌いになった〉
彼の口からあたしにそう言ってくれるだろうか。もう二度とここに訪れる事すらない程に。
「…………………………」
そこでどういう反応が返ってくるのかは判らないが、あたしはそうである事を切に願いたい。
あたしの今しか知らずに過去を何も知らない水瀬くん。過去の男に滅茶苦茶にされて傷物になったあたしをずっと好きでいられる訳がない。幾等水瀬くんだって好きな女がレイプされたって過去を知ってしまえば途端に心が急激に冷めてきっと離れていってしまうだろう。水瀬くんのあの笑顔が消えて険しく歪んでいくのは少々心苦しいが、受ける傷は一番癒えやすいであろう浅い内にした方がいい。後になって事実を知るよりかはそれが一番いいのだ。
そんなに怖いのね。
そこにはもう一人のあたしがあたしに対して小さく鼻で馬鹿にしたように笑っていたが、もう何も躊躇いなど不思議と存在してなかった。決してなくはない部分ではあるのだが、あたしは決心した。皮肉にも悪魔の囁きをしてきた全く同じ顔をするもう一人の自分に後押しされて。
「水瀬くん」
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- 2007/12/18(火) 00:00:08|
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