地獄だ、ここは忘れ去られた頃に放り込まれる地獄。何の前触れもなく急にやってきて今の僕は正に地獄の真っ只中にいる。煮だった鍋の中に放り込まれて苦しめられている。
風邪という思わぬ大敵にやられてしまって今やすっかりベッドの上でダウンしている僕を見て、その知らせを聞いて休日返上で慌ててやって来た彼女は凄い驚いていた。
「電話では聞いていたけど、凄く辛そうね。ところで、大丈夫?」
「全然大丈夫なんかじゃない。地獄だよ、風邪は。凄い身体がだるいし」
「そうだよね。風邪なんか引いても元気だっていう人はなかなかいないわ」
「ごめん。休みなのに急に呼び出したりなんかして」
病気は一人暮らしの欠点であろう。風邪を引いては最早どうしようも出来ない。もしもここが実家なら今頃家族に看病して貰って彼女に迷惑をかける事すらなかったが、実家との距離も離れていて今頼れる存在が彼女しかいなかったから携帯でSOSを出したのだ。
「ううん、いいのよ。だから何も気にしないで。こういうのってお互い様でしょ」
だって困っていたら放っておけないもの、とすっかり弱々しくなっているそんな僕に優しく手を差し伸ばしてくる。今、僕の目に映る彼女は正に女神のような存在だった。
「もしも私が病気でもしたら今度は逆に看病しに来て貰うから」くすっと彼女は笑う。
「その時は喜んで行かせて貰うよ。でも、万が一そんな事がないよう、祈るのみだね」
「そうだといいわね。 じゃあちょっと待っててね。今、準備してくるから」
……準備?僕はぼんやりとした意識の中でそう思ったが、そう口で尋ねる前に彼女の姿は僕の前から消えていた。今から彼女は一体何をしてくれるのだろうか。
「……………って、それは一体何の冗談かな?」
突然姿を消していた彼女がひょっこりと再び僕の前に姿を見せてきた時、ほんの数分前まで見せていたさっきとは全く違った井出立ちに僕は内心呆れていた。
「冗談なんかじゃないわよ。私は至って本気よ。だって看病しに来たんだから」
それは間違ってない、確かに。でも、その格好は大きく間違ってる。
「それ、もしかしてコスプレ?」と、呆れる僕を尻目に一人至って真剣な彼女は「自前よ!じ・ま・え!」とそのように言われたのがそんなに嫌だったのか、透かさず訂正してきた。
「それ、もしかしたら本当に仕事で着てるやつ?」
「そうよ、これも制服の一つ。他にも色んな衣装を持っているけど、その中でこれが一番のお気に入りなの。それに今の状況の中ではこれが一番相応しいでしょ?」
「確かにね。でもまさかナースさんに看病されるとは思ってなかったな」
だが、彼女が国家試験に合格してなった看護師ではない事を先に述べておく。確かに彼女はナース服を着ているのだが、実際現場で働く看護師とは違って少々制服が異なっている。今や廃止されたナースキャップを被っており、しかもこのナース服は角度によって下着が見えそうなぐらい膝上が短かった。色も清潔な白ではなくて可愛らしいピンクだし。
彼女の職業はキャバ嬢だ。余り詳しくは知らないが、コスプレを売りにした店らしく、彼女はそのような姿で接客に出ているらしい。実際僕は恥ずかしいからって理由で彼女の仕事場に遊びに行った事はないが、そんな姿で客相手に接客している姿を想像しただけでむかむかとしてくるのだが、彼女の生き甲斐を無理矢理奪うような権利は今の僕にない。
「じゃあまず最初にお熱を測ります」
その準備は用意周到だ。彼女は本格的にやろうとしているらしく、体温計まで持ってきていた。今では耳に当てただけで計れるのもあるのにそれは昔ながらの体温計だった。
「38.7分か。結構あるわね」すると彼女は動いてキッチンから水を入れたコップを持ってきた。「次は熱冷ましのお薬を飲みましょうね。お口をあ――んして下さい」こっちは風邪を引いているのに何か遊ばれているような気もしなくはないのだがここは素直に従って口を大きく開けると錠剤の薬が二錠入れられてそのまま彼女の顔が近付いてきた。
「ん……っ、ぐっ」
僕は大きく目を瞠った。彼女に突然唇を重ねられて僕は思うように身動きが取れない。彼女の口の中で少し温くなった水が薬を飲み込ませようと注ぎ込んでくると、彼女は口内に侵入して舌を絡めてきた。彼女から深いキスをされてしまい、なぞるように僕の舌を擦りながらちゅっと吸い上げてくる感覚にぴくんと突如甘い痺れが僕の身体に起こってくる。
「少し寒いですが、パジャマを脱いで下さいね。聴診器をお胸に当てまーす」とは言っても、風邪で体力が酷く消耗している今の僕にはパジャマを脱ぐ事ですらままらないからここはナースさんが釦を一つずつ丁寧に外していく。「安定してますね」聴診器を胸に当てて心臓に異常がないかどうか確かめている。「う――ん、これだとどうかな?」
「うっ」彼女の指で小さな乳首を揺するように擦られたから僕は小さく呻いた。
「鼓動が一気に速くなりましたね。これは異常です」聴診器を外して彼女が真面目な表情で言うと、下着も一緒に下を脱がしてきた。「こちらも確認する必要があります!」
「いや、そこは別にいらないよ」と、下半身を露わにさせられた僕は少し慌てた。
「駄目です!後で何か異常があった時には手遅れって事もあるんですから!患者さんはナースさんの言う事をちゃんと聞いて下さい!」と、一喝されては僕もなす術がなかった。
「…………………………」
「ここは体温計で測れないから私のお口で測ります」風邪の魔の手はここまで伸びていてぐったり萎れて元気のなかった僕の棹は彼女の指に優しく包み込まれた途端、彼女の冷たさに反応するように一気に回復していった。「ん…んぁ……っぃ」彼女は舌を伸ばして今はまだ直接触れずに尖った先端の窪みに艶かしく光らせる滴った唾液を伝って零していく。
「うぅ……っ、はぁ……っ」
僕は何だかもどかしかった。身体の震えがなかなか止まらない。彼女の口で愛撫されるのは確かに気持ちいいのだが、頭が殆ど動かずに浅く咥えられてぺろぺろと上だけを舐められている現状に僕は何だか拷問を受けているような気がしてならなかった。
イカされるようでイカされない。
先が一向に見えない行為にさっきからずっと焦らされ続けるように自分の身体を擽られていると僕は次第に我慢できなくなり、遂には理性がぷつっと切れる音がすると僕は風邪でだるかった身体を起こして逃げる暇も与えぬまま彼女に覆い被さった。
「きゃあっ!」
「いい加減にしろよ!もう我慢できない!」
今の僕は殆どの理性が消え失せていた。今はただ彼女を抱く事しか考えておらず、ナース服に手を突っ込んでショーツを破るように剥ぐとそのまま大きな昂りを捩じ込んだ。
「ああっ!」彼女の身体が大きく跳ねる。「はっ…ぁ…っ、おっきい、やっぱり凄いわ」
「そんなに欲しいのなら幾等でもやるよ。沢山打ち込んでやる。恨むんなら自分を恨めよ」
大きくなっていく欲望の炎を照らしながら虐げた彼女を冷たく見下ろした。そもそも僕がこうなってしまったのも紛れなく彼女自身だからだ。僕はもう自分の欲望を抑えられない。一度は奥まで入れたペニスを最奥目掛けて一気に突いた。ずしんと響いてくる重い振動と共に下で繋がる結合部がぐちゅぐちゅと卑猥な水音を奏でながら激しくぶつかり合っている。こうなってしまったのも全部僕を煽いだお前のせいなんだからな。
「あぁっ!ああっ!そ、そんなわけ、ないぃぃっ!もっとぉもっとぉしてぇ!」
その下で僕を咥え込む彼女はまだこれだけでは物足りないのか、腰を淫らに動かして僕を誘っている。ベッドの上での彼女は貪欲だ。意識を失うまでは僕を求め続けている。
それならお望み通りに叶えてやろう。そんなに僕にして貰いたいのなら僕がその願いを叶えるまで。僕の中でどす黒い部分が奥から現れてきてベッドに寝かしていた彼女を起こすと腰を掴んだまま引き上げて叩き込むと串刺しにされた彼女はびくんと痙攣を起こす。
「ひぃぃっ!」小刻みに僕は腰を動かすとその都度肉膣が締め付けてきてここに埋まっている僕をいつも苦しめてくるのだが、今回はそこまで考えていられる程の余裕がなかった。「ああ!んああっ!あっ、あぁっ!!壊れちゃう…それ以上されると壊れちゃうよぉ!」
「いいよ、壊れちまえ。僕ので壊れちゃえ。全部お前が望んだ事なんだからな」
彼女は自分から言おうとしないが、僕を力強く抱き締めてくるとそれはもう限界である事を意味し、僕は彼女の状態に拘らず終焉を高めてがんがん打ち込んだ。彼女を強く擦り付けるとじゅぶじゅぶ泡を吹いた蜜が掻き出されて周りには行為の荒々しさを示す噴射された沢山の痕跡を残していった。今日の僕も彼女も何処かが壊れている。
「あぁ…っ、あっ、んっはぁっ……あっぁんっめ、めぇっ、もう…もうだめえぇぇっっ!!」
身体を弓のように反らして今にも壊れそうな声を揚げた彼女はびくびくと震えた。すると膣が収縮されて急激な締め付けが襲ってくると僕は我慢できずに自分の中に溜まっていた欲望の全てを彼女の中に吐き出された。それは一度だけで収まらず何度も彼女の中に打ち続けて僕を押え付ける彼女に搾り取られるような形で残りの体力まで奪われていった。
「はぁ〜っ、気持ち良かった♪」その声はとても上機嫌な彼女。
「何処が」その一方でとても不機嫌な僕の声。「病人を襲うなんて」
「襲うなんて人聞きが悪い。そっちだってあたしを激しく揺らしたりしたくせに」
「……………」非はあっちなのにそれを言われたら何も言えなくなってしまう情けない僕。
「まぁ、いいわ。 それじゃあ患者さん、お熱を計りましょうね」
どうやら彼女のお医者さんごっこはまだ継続中らしい。すっかり忘れていた体温計を取り出してきて、僕も渋々付き合った。ここまでやらされたんだ、半分自棄にもなっている。
「あ――っ、下がったぁ。やっぱりさっきのえっちが効果をもたらしたのね♪」
彼女が体温計を見せてきた。さっき計った時に比べたら0.7度は下がった。そりゃああんだけ動いて汗だくになればそれで下がらない方が不思議だ。だが、彼女はそれだけではとても満足しないのか、更に意外なパワフルな一面を見せてきて僕を忽ち絶句させた。
「このペースだともう二回して風邪を完全に追っ払っちゃおうか?」
end
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- 2007/05/20(日) 23:57:46|
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この男、要注意すべし。
「んげっ!」
いつもなら朝、目が覚めても暫くはベッドでのぬくぬくとした温もりが恋しくて自分の部屋との温度差になかなかベッドからその身を剥がしたりできないのだが、今日はいつもとは違ってどうやら格別なようであり、あたしは朝の眠気が一気に覚めてしまった。
「な、な、な、な、何で!!」
声にもならない声。本当ならぎゃって叫びたい気持ちなのに何故か叫ぶ事すら出来ないあたし。頭の中がすっかりパニックになってしまい、正常な思考が全く働かずにいる。
ど、ど、ど、ど、ど、どうしてあたしが裸なのよ〜〜〜!!!
つまりあたしはどうやら裸のままベッドに寝ていたわけ。でもあたしは普段から就寝の際には全裸で寝るような習慣は全くなく、そのような時は大体誰か彼氏と深い関係になっている時ぐらいだ。ちなみにあたしが今まで付き合ってきた数人の元カレは何故かパワフルな連中ばかりで、一度ベッドダイブするとそう簡単にはあたしを解放してくれず、度重なる行為の後は必ずクタクタになってしまうから何も着ないまま寝てしまう事も多かった。
だが、深刻な事態から未だ解放されない。だってあたしには今現在深いとも言える彼氏がいなかったからだ。それに一番新しく付き合っていた彼氏とはつい最近別れたばかり。期間は一年ちょっと。振ったのはあたし、別れの原因はあっち。しくしくと傷心中。表面上はつい見栄を張って人前で涙は決して見せたりしないけど、心の中や一人でいる時には毎日のように大雨がざぁ――っと降っている。もうずぶ濡れ。こっちは本気だったのにな。それだけに別れは辛いものよ。こっちから振ったって結局は失恋なんだから。
「……………」
って、本題が少しずれてしまったけど、だからって何故に裸?大きく逸れた軸を元に戻してみてもあたしには未だ理解できないし、その繋がりすら見付からない。
昨日は誰ともしていないのであればもしかしたら酔いが醒めぬまま一々着替えるのが面倒になってその場で勢いよくばばばっと脱いでそのままベッドに飛び込んだのだろうか。
い〜や、それは有り得ない。まだ傷心中のあたしに友達が気を遣って誘ってくれても昨日は何処にも寄らず真っ直ぐマンションに戻ってきた訳だし、確かにリビングでアルコールを口に含んではいたけれど、そんな記憶を飛んでしまうほど飲んでいた訳ではなかった。
「……取り敢えずこの話はもうこれで終わりにしよう。ここであたしが一々考えたって何も答えなんか出てこないんだし」ぐるぐると頭を張り巡らせても何一つ結論が出てこないからいい加減考えるのも疲れてしまったあたしは、このまま意味も理解できぬまま素っ裸でいるのも何か嫌だからクローゼットの中にある秘密の下着ボックス(勿論勝負下着あり)で無駄にサービス全開で出しているところを全て隠そうと本日の下着を選んでいると突然後ろからぎゅっと抱き締められた――否、掴まれた、小振りで大きくもないこの胸が。「きゃ……っ」胸に起きた違和感のある大きな感触に反応してあたしは大きく目を見開いた。
「朝からいい感触」
ふふん、と鼻を小さく鳴らして朝からとても上機嫌な低いこの声。人が大人しい事をいい事に、更に調子に乗ってふにふにと両手で包み込んでいる胸を揉んでくる。
「な……っ、や、やだっ、やめっ……あっ、んっ」それが小さいとすっぽり隠れてしまう大きな手が下から持ち上げるように包んでくると手の平で丸く円を描くように先端を擦り付けてくるからあたしの身体はびくびくと震えてくる。「んぁあっ、あ、あっ、だ、だめったらぁ」あたしの反応を見て調子を得たのか、指先で乳首を摘んでこりこりと弄りながらもう片方の手は脇腹を滑るように辿って無防備な下腹部へと魔の手を広げてくる。
「萌香(もえか)の身体って結構敏感」
態とらしい声。何もあたしの身体なんか知らないって感じで、今日初めて触りましたっていうような態度に腹が立つ。ふぅ〜と熱い息を掛けてあたしの反応を見るのも腹が立つ。
「あっんっ」鼻にかかった甘い声を出して感じてしまう自分にも腹が立つ。
「ほんと萌香って可愛いな」
ここまで来れば勿論不届き野郎の正体も解っていた。その如何にも軽すぎる声に。
ちなみにこいつはあたしの弟。七瀬穂高(ななせ ほだか)。年も五つと少し離れていればそんな弟が姉には目をいれても痛くない程可愛くて仕方がないなんて思ったら大間違い。
それは最大の天敵。隙あらば常に襲ってくるような男。人前ではいい子ちゃんなのにあたしの前ではいつも狼だ。奴の脳味噌の中はあたしを抱く事しか頭に考えてない。
「すっげ。俺、もう我慢できないや」
背後で荒くなってくる息。吐き出される熱い息が首筋に降り注いできてこの男は野獣のように興奮を剥き出しにしていた。押し付けられた反り立つアソコがあたしに伝えてくる。
「ああっ、萌香の中に全て入れてぶちまけてぇ」
襞が指を咥え込んで捕まえながらも締め付けてくるその強さに購うようより強く擦られて幾度も抽送を繰り返して深いスポットを激しく攻めながらも親指で大きく腫れ上がっていったクリトリスを強く捻じ込むように押し潰されてあたしは壊れそうになった。
「やああぁぁぁんっっ!ああっ!あぁっ!だめっ!だめぇっっ!!」
びくびくんと身体が大きく跳ねてあたしは首をいやいやと振りながら大きく叫び続けた。
「いいぜ、萌香、このまま一度イッちまおうか」
ぐちゅぐちゅと中心から出てくる卑猥な音を響かせて触れる指の動きが過激さを増す。
一度自分の手元にあるものを奪われてしまっては幾等自分の身体であろうとなかなか思うようにこの身体が人の言う事を利かずに後ろから太くてごつごつとした男の指で触れられて高まってくる快感に逆らえる術など知らないあたしは自分自身がやばくなりかけたが、穂高が見せた一瞬の隙を突いて何とか働いた理性で突き飛ばすとあたしは一目散に魔の手から逃れてある程度距離をとるとこの真っ裸な身体をシーツでぐるぐると巻き付けた。
これで何とか全裸の自分からおさらばできた。ひとまず下着着用は中断。今のままでは危険だ。身に着けているその隙を最大限に利用してあたしの身体に触れてきそうだから。
呼吸が荒い。下手に身体を刺激されては染み付いた下半身の痺れが取れずにここを塞いでいた栓を失ってしまったせいか、ひくひくと求めるように甘く疼いている。
「な…っんで、何であんたがここにいるのよ!」
そもそもこの男がここにいる事にあたしは理解できない。いつも「絶対ここには入ってくるな!」ってしつこく何遍も釘を刺しているのにそれをちゃんと守られた事は決して一度もなかったが、毎度の事ながらちゃんと納得がいく説明をして貰いたいものだ。
それにしてもどうしてこいつも裸なの!?人の部屋でうろちょろうろちょろして貰いたくないわ!朝っぱらから元気なモン見せ付けるんじゃないわよ!!
「それ、えらい傷付く言い方だな。折角夜は俺がいっぱい慰めてあげたのに」
「何よ、慰めたって」意味不明な言葉にじろりとあたしは睨み付ける。
「もしかして何にも覚えてない?萌香のマンコが俺のチンポを離さなかったじゃん」
彼の口から強調されるように出てくる卑猥な言葉をぶつけられてあたしはかぁっとなる。あたしってもしかしたら記憶のないまま穂高に抱かれてしまったの!?
この場での現状証拠が余りにも揃いすぎているだけに。さっきは裸の自分に気を取られて全く目にすら入らなかったが、フローリングにはパジャマや下着が重なるように散乱しており、隠すものがなくなったベッドの上には昨夜の痕跡を示すように身体を重ねた荒々しさが今でも物語っており、ここには否定すら出来ない事実しか残されていなかった。
「何か俺も久々に燃えたって気分。やっぱ偶に抱いた方が燃え上がっていいのかな?」
「そんなの全然良くないわよ!姉の部屋に夜這いした上に襲うなんて!」
「まぁ、それは事実だからこっちも否定はしないが。しかし、姉って言ったってな、別に俺等は近親相姦とかそういう許されない禁断の関係には当て嵌まらないからこうして堂々とやったって何の問題もないぜ。世間には一応姉弟として通ってはいるけど」
そうなのだ。穂高はこれでも一応あたしの弟として戸籍上は成り立っているけど、実は連れ子だった親同士の再婚で決まった義理の姉弟だった。つまり血の繋がりはないのだから義理の弟とそういう関係になったって血縁上は確かに問題ないのだが……。
「だ、だからってそういう問題じゃないでしょ!何考えてるのよ!」
「俺、いつも本気なんだけど。萌香には冗談にしか聞こえてなさそうだけど、俺、初めて萌香を見た時から一途にこの想いを貫き通しているし。それに俺、萌香以外の女なんか抱きたくねぇもん。全然チンポなんか勃たねぇし、ダチにはインポなんて言われるしよ」
「そんなの当たり前でしょ。あたしにしか示さないなんて。それに異常だわ。高校にだってもっと他にもいい女の子なんかいっぱいいるじゃない。どうしてあたしなのよ」
真剣な眼差しに耐え切れなくてあたしは視線を逸らした。そこには戸惑いすら感じる。
何も知らない訳がなかった。耳にタコができるぐらいに言われ続けている。あたしが今でも穂高の真っ直ぐな気持ちから逃げているのはきっと姉弟という関係があるから。
何もこんな事がなければ今でも自慢の弟でい続けたのかもしれない、例え血は繋がってなくても十年家族としてやってきたのだ。だが、二年前のあの日に足を踏み入れてはいけない関係へと飛び込んだ瞬間から姉弟としての関係が大きく変わったように思える。
「好き、だからじゃない?」真剣な想いとは裏腹にあっさりと口にする。「だからこそ二股で萌香を傷付けたヤリチン野郎に毎晩泣いてる萌香を見たらつい慰めたくなってさ」
「慰めるにも抱く事なんかないじゃないの」ほんとここまで目覚めの悪い朝も草々ないわ。
「だからさ、夜は俺がいっぱい慰めてあげたんだし、今度は俺を慰めてよ」
もうさっきので我慢できなくなってさ、と甘えた声で猫みたいにじゃれてきて最早自分の欲望に勝てない事を悟った穂高はあたしを抱き締めてそのままベッドに押し倒してきた。
……あたしってとことん男運がないと思う。
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- 2007/05/09(水) 23:13:16|
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これは夢で起きたこと?それとも現実に起きたこと?あの昨夜の出来事は。昨日知り合ったばかりの少し変わった子との関係は――。
俺はコックを捻って一晩で付いた汚れを落とそうとシャワーを浴びていた。温かなお湯が俺の身体を濡らすようにシャワーの飛沫がずっと当たってくる。
昨夜から朝方にかけてまで俺は何時間もある人と身体を重ね続けていた。つまり深い関係、セックス。これといって特別な関係だとかそういう訳でもないのに俺は。
あの時は行為に没頭して余り気にも留めなかったが、それはあっという間に時間も経ち、ふと我に返って冷静さを取り戻すと俺は今でも信じられない気持ちでいっぱいだった。それは意外ともいえる。あの人の全てを知った上で抵抗なく受け入れた自分に対して。
これまでに俺は何人かの女性を抱いた事がある。決して今回が初めてとかいう訳じゃない。自分は生まれ付き凄く外見がいいという訳ではないが、そんな自分を好きになってくれたとても貴重な女性達。俺が今までに関係を持った事があるのは全て女性だけ。
だけど同性――男を抱いた事は今回が初めてだった。俺と一晩過ごした人が。
「あ――っ、こんなとこにいた!」
シャワーを浴びながら身体の隅々と洗っているそんな俺に、すると突然浴室のドアが開いて大声を揚げてきたからその時まで全く心構えをしていなかった俺はびくっとした。
「な、何!?」
彼――というより彼女の姿が視界に入るや否や俺は恥ずかしくなって咄嗟に視線を逸らした。俺の目の前でも何の抵抗感もないのだろうか、それは一糸纏わぬ姿に。彼女はたった一つを除いたら実際の女性と見比べても引けを取らぬほどとても女性らしい姿を明るい時間から目の当たりにしてそれが一晩過ごした間柄となると妙に照れ臭く感じてくる。
「酷いよぉ。ボク、お兄さんのこと捜したんだからね。ボクが起きた時には隣にいてくれなかったんだもん」と、俺の姿を見付けるなりぶーぶーと不満の言葉をぶつけてくる。
「だ、だって気持ち良く寝てたし、疲れているだろうと思って。それに起こすのはどうも」
彼女の迫力に押されてたじろぐ俺。俺は何も悪い事なんかしてないのに。
「そんなの関係ない!ボクの前で変な気は遣わないで。ここに来るんなら来るでボクをちゃんと起こしてから行ってよ。そうしたらボクも一緒に入るのにぃ〜」
彼女は文句を言いながらもずかずかと浴室に入ってくると後ろから突然抱き締めてきた。
「……って、もう入ってるけど」
言葉では呆れていて一見何の動じる気配もなかったが、俺の背中には大きな胸の感触がして俺は迂闊にもどきどきしていた。正常な感覚を持っていればこの感情を抱くのはほんと変だと思うが。ぎゅっと二つの膨らみが押し付けられてきて。見た目は女の子でも彼女の性別は俺と同じだからこの柔らかさは自然に作られたものではないって事は解っていてもそれは不思議と何ら違和感がない。触れれば本物と全く同じような感触をしている。
「凄く寂しかったぁ。ボク、また一人にされたのかと思ったよ」こつん、と背中に額を押し付けてきて抱き締めてくる彼女の身体が小さく震えていた。「よくあるんだよね、こういうの。ボクとやるだけやっといて朝になると蛻の殻ってやつ。だから今回もそうなのかって。お兄さんを見付けるまでそう思ってた。こんな男女、詐欺だもんね」寂しさのみの感情が彼女の心に深く占めていて無理に作った微笑んだ表情が却って悲しくもなってくる。
「―――ごめん。あの時、一人にされるのは嫌だって言っていたのにな」
ただ謝っただけでは許されるような事ではないが。俺は彼女と昨日知り合ったばかりで、何も彼女の全てを知っている訳ではなくても彼女の口から静かに語られた話を聞く限りでは複雑な環境の中、苦労ばかりしていた事を仄かに匂わせていた。少なくともこっちは事情を知っている訳だし、彼女の事を考えれば一言言って来た方が良かったのかも知れなかったが、もう済んでしまった事を今更悔やんだってもう遅い。
「謝らなくたっていいよ。気にしてないし。だっていてくれた事がボク嬉しいんだもん」
そう口にして彼女はとても嬉しそうににこにこと微笑みながら自分達のこの身長差を埋めようと軽く爪先立ちしてきて、その身を寄せると俺の唇にそっと自分の唇を重ねてきた。
俺は最初、彼女を女だと思っていた。だって普通から見たら彼女は可愛いし、それに声だって普通に女の子の声だった。それを本人に言わせれば「ボクね、昔から女の子みたいって言われていたんだ。それに声変わりもなかったからずっとこのままなんだ」だそうだ。
それに彼女はグリーンの花柄がグラデーションプリントされた可愛らしいキャミワンピを着ていて、その上には透かし編みのカーディガンを羽織るように身に通していた。
これをどう見たって彼女が=男だとは判別できないだろう。この時点で「こいつは男だ!」って判ったら神業的な凄い判別能力を持っていると思う。それだけ難しい。
ちなみ俺がその事実を知ったのは皮肉にもホテルでの最初の行為で。「一晩だけでもいいから一緒にいて」と捨てられた子犬みたいにせがんでくるから結局断わりきれなくて近くのホテルまで引っ張ってきた。でも流石に「可愛いからこいつ食っちまおう」とかそんな感情はこれっぽっちも抱いてなかったのだが、場の流れでそのような形になってしまった。
――でもやっぱり驚いた、それには。
浴室にはシャワーの温かさで火照ってきた湯気に混じりながら湿り気のある卑猥な音と今にもぷつっと途切れてしまいそうな弱々しい喘ぎが聞こえていた。お互いの身体を指や舌を使って優しく愛撫を繰り返した後、後ろから一突きでぬるぬるとした何ともいえない感触が加速を速めていって深々と根元まで沈めると俺は間を置かずに腰を動かし始めた。
その後ろから起きてくる振動に合わせるように動いてくる形のいいヒップ。自分の目の前にある小さな身体。自分に触れられただけで見る見る桜色に染まって熱くなってくる体温。そこには昨夜の痕跡が残されており、そのか弱そうな身体一つで自分の全てを受け止めてくれてるとそれは言い知れぬ興奮すら覚えてくる。それは一瞬でも目茶苦茶にしたい気持ちが表れてはきたが、ふと彼女の事を想うとそのような感情は直ぐに掻き消された。
「あぁっ、あぁっ……んっぁっお、お兄さん」
「……どうした?」
「んっ、あぁっ、いた…い、痛いよ…」
身体をぶるぶると震わせて痛みの増してくる声を聞いた俺はぴたりと腰の動きを止めると下手に動いてはまた痛みが出てしまうので今はまだ中に沈めたままその様子を見守る。
俺は彼女自身の身体を濡らし足りなかったのだろうか。一旦動きが静かになってもその余韻を残すかのようにこの場には熱の帯びた彼女の荒々しい息が途切れず聞こえてくる。
「やめ、ようか?」
答えは初めから解っているんだが、ここは念の為に訊いてみた。受身となる彼女が痛いといっているのにそれを無視して続けるといった鬼畜な真似はどうしても出来ない。
「ううん、続けて」
でもそれはさっき彼女が零した言葉に反して俺が考えていた答えとは全く違うものだから正直戸惑いすら覚えた。後ろで繋がりながらも辛い体勢のまま振り向いて俺を見た彼女の大きな瞳は薄らと涙すら浮かべていたのに。俺は矛盾するその言葉に眉を顰める。
「でも…な」〈はい、そうですか〉と考えが直ぐに切り替えできない俺。
「大丈夫。お兄さんが思ってる意味と違うから。気持ち良すぎて痛いの。だから、して…」
今は朝の9時。今が夜の時間とは対照的な明るい朝の時間であるのにも拘らずそれから何度も身体を重ねると、俺達はベッドに横たわってシーツに包まったままチェックアウトまでここにいられる残り僅かな時間をお互い抱き締めながら噛み締め合っていた。
「ボク、お兄さんとはもっと後に知り合いたかったな」
ふとぽつりと漏らした独り言のようにも近い彼女の言葉に俺は首を傾げた。
「どうして?」
そこで俺は何かまずい事でも言ったのだろうか。すると何処か複雑な表情を見せる彼女。
「だって…その、ボク、戸籍上は男だけど見た目だけでも女の子にしたくて自分では出来ないところを色々整形してきたけど、それでもまだ処理してないとことか一箇所あるし」
これ以上口にして言う事が出来ないようで、もじもじとしながら顔を真っ赤にさせた彼女は恥ずかしそうにしているとそんなに俺と顔を合わせるのが嫌なのか、胸元を隠していたシーツを持ち上げて自分の視界から俺の存在を消そうと顔を隠そうとする。
「ああ、ここ?」
その意味にぴんときた俺は小さな意地悪心が芽生えてきた。そっと中に手を滑り込ませて手探りのまま彼女のペニスを捕らえてぎゅっと握り締めるとびくんと彼女が反応した。
「あんっ!」女の子と同じ声を揚げて俺は試しに自分と同じものを扱いてみると大人しかった彼女の棹はむくむくと起き上がってくる。「やっんんっ!もう!お兄さんったらやめてよ!もう時間がないっていうのにこんな時にされたらボク……」我慢できないよ、と俺の手の中で膨張してきて熱い塊が込み上げてくる快感に逆らえずにいて、俺はそっとシーツを捲って確かめてみると隠れていた彼女の瞳がまるで泣いているみたいに濡れていた。
「じゃあ場所を移せばいいんじゃないか?」
「えっ?場所って、何処に?お兄さん、あてがあるの?」
「ああ。勿論俺の部屋。そこだったら何も時間なんか気にせずに気軽になれるだろ?」
つまり今以上に時間が増える。ホテルとは違った特別な意味合いに彼女は驚いていた。
「……いいの?ボクがお兄さんの部屋に行ったりなんかして迷惑じゃない?」
「いいとは思わなかったら何も部屋に誘おうとはしない。誘いたかったから俺が誘った」
躊躇いを見せる彼女に、俺はにっと口元に小さな笑みを浮かべた。だってそうだろ?
end
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- 2007/05/05(土) 23:27:18|
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毎日が仕事で忙しいご主人様の久し振りな休日。普段は土日すら関係なく忙しく仕事をしているご主人様が今日は朝から屋敷にいて、りおんはとても嬉しかった。朝からにこにこと上機嫌。背中に羽根が生えてふわふわと宙を浮いてしまいそうな気分になる。
「あっ……」
自分がここにいられるのも全てはご主人様から日頃お世話になっているお陰で、りおんは紅茶の入ったティーポットをカップに注いで部屋で読書中のご主人様に味と香りを味わって貰おうとカップを渡そうとしたのだが、思わず手を滑らせて紅茶の入ったカップを落としてしまい、派手な音を立てて真っ二つに割れてしまったカップから毎日隅から隅まで綺麗に掃除されているふさふさ毛並みな絨毯の上にゆっくりと紅茶の色が染められていく。
「す、済みません、ご主人様、今直ぐ片付けます」
「それ、今度で何度目だ?」と、割れたカップで指を切らないように気を付けながらいそいそと片付けるりおんを一方で冷たく見下ろしているご主人様。折角の読書を邪魔されてその表情は忽ち不機嫌の色を濃く滲み出している。
「え、えっと、それは…判りません」
「判らないだけでは困るな」読んでいた本を静かに閉じてご主人様は溜め息を吐いてくる。
「…済みません」りおんはただ謝る事しか出来ない。
「初歩的なミスはいい加減困るな。お前は僕の専属メイドになってから何年になる?」
「ご主人様のお側にお仕えしてからもう1年になります」
「それなら解るだろう。僕はお前がミスすればその度にお前に免じて許してきたが、こう何度もミスが続くと他の奴等にも示しが付かなくなる。幾等お前が僕のペットであろうとここまで贔屓にされてしまっては余りいい風には思わないだろう」
ご主人様の言い分は尤もだ。りおんが何かミスをすれば当然管理するメイド長の耳にも入ってきて本来なら注意されるところをご主人様が前に出ていつも庇ってくれていたが、そのほんの些細な特別な行動に一部では余りよく思わない人間が内部から出てきているのも事実だった。ここでは誰よりも一番偉いご主人様の前ではただ言わないだけで。
「あの……あたしをクビにするんですか?」と、りおんは恐る恐る訊いてみた。
「そうだな、普通に考えても。それが偶に起こすミスなら大目に見ても良かったが、そう何度も続けば余計にな」ここまで来るとすっかり呆れているご主人様。「もしもここがどこぞの会社だったら今頃ここにはいられないぞ。そんなに世の中は甘くないんだからな」
「だ、だけど、あっ、あたし、ここを辞めてしまったら一文無しになってしまいます!」
「それは言われなくても解ってる。僕が身寄りのないお前を拾ったんだからな」
「だったら……」
あたしを捨てないで下さい、と最後の望みを託すようにりおんはそう言い掛けようとしたのだが、結局最後までその短い言葉を口にして言える事はなかった。その前にご主人様の言葉によって遮られてしまい、その代わりとなるように残酷な言葉のみが返ってきた。
「お前の代わりなんか探せば幾等でもいるし、僕は別に困らん。いなくなった空白はただ埋めればいいだけのこと。僕はそうしてやってもいいが、辞めて困るのはお前自身だがな」
彼女の弱みを知っているからこそそれを逆手にとってご主人様は歪んだ笑みを浮かべた。得体の知れないりおんを拾ってくれたご主人様に逆らえない事を知っておきながら。
「お願いします!あたしをクビにしないで下さい!ここを辞めさせられたら困るんです!!」
それこそ身元不明なりおんを何処も引き取ってはくれないだろうし。こんな彼女でも働けるところといったら風俗関係ぐらいしか今の彼女に残された手段はないだろう。
第一りおんはそんなのが嫌だった。幾等それが仕事でもご主人様以外の人と関係を持つ事が。この世の中で暮らしていく為とはいえ、お金の為にビジネスで身体を開く事が。
「…ったく、しょうがないな。いいか、今回で最後だぞ」
ご主人様はそんな彼女を見て折れてしまったようだ。何だかんだ言っても結局最後は許してしまう。ご主人様は周囲が呆れるぐらいにりおんには甘かった。
「有り難う御座います!ご主人様!」間近に迫っていたクビの危機を回避できてりおんはほっと胸を撫で下ろす。「あたし、何があっても一生ご主人様にお仕えしたいと思います!」
「だが、喜ぶのはまだ早いぞ、りおん」
「えっ?」
「今まで僕が散々甘やかしたせいでこんな事になってしまったんだからな。今回は流石に今までのようにはいかない。少しでも他の者に示しを見せなければいけないだろう。もう二度とこのような下らないミスなどしないように身体で覚えさせておかないとな」
「あっ………」
瞳の奥から欲望の火を小さく宿らしたご主人様の顔を見て、りおんは小さく息を呑んだ。ご主人様の手元にはいつの間にか乗馬用の鞭が握り締められていたから。
振り翳す度にご主人様の鞭が彼女のお尻に容赦なく当たってくる。丸みの帯びた形のいいお尻に透き通るぐらい真っ白で雪のような肌が見る見る真っ赤な色で染まっていった。
りおんはご主人様の目の前でお尻を向けてしかもロングスカートを捲られた上にレースが刺繍された清楚なショーツを脱がされては上半身を絨毯の上に押し付けられながらもお尻は高々と突き上げていたからそれは今までにないはしたない格好をされてりおんは顔を真っ赤にしながらただ羞恥に包まれていた。ご主人様には何もかも丸見えだからだ。
だが、その事実に彼女は逆らえない。だからこそ止める事すら彼女には出来ない。自分を拾って専属メイドにしてくれたご主人様の命令には絶対服従を誓っているから。
「んっ!んんっ!」
りおんは下唇を噛み締めて下の方からやってくる痛みに耐えていた。それはさっきから彼女の身体を痛め付けてその意味を身体に刻み込ませる痛みが立て続けに起こってくる。
「あ…っ!ああっ!あああっ!!」
ご主人様の部屋でお尻を叩き付ける鞭の音と抑え付けていた唇の綻びが起きてついに我慢できずに声を荒げる彼女。物静かな空間では却ってそのような声は大きく響き渡る。
「お許しを…お許し下さい、ああっ!んああっ!ご主人……さまぁ」
息を荒くしながらもりおんは一向に終わりが見える事のない地獄から助けを求めようとしたが、冷たく見下ろすご主人様はその手を差し伸ばさずに敢えて跳ね返してくる。
「僕に許して欲しいと思うのならもう二度と下らないミスをしない事だな、りおん。僕の下で働いている以上は。 言っておくが、これはまだ生易しい方なんだぞ」
「済みません!済みません!本当に済みません!」
りおんは何度も謝る。これ以上耐えられなかった。今もまだご主人様にお尻を向けた羞恥が消えない事も勿論あったのだが、鞭の余りの痛さに時折気を失いそうになっていた。
何かある度にご主人様に庇って貰ってすっかりその好意に甘えてしまったツケが今になって返ってきたのだろう。今日のご主人様は本当に容赦がなかった。
「ご主人様、もうしませんからお許し下さい!お願いします!お願いします!」
りおんは再度許しを得ようとした。この様子だとご主人様の怒りが暫し治まらないのは解っていたが、このままでは自分自身が滅茶苦茶に壊れそうな気がして怖かった。
「その言葉、今度嘘吐いたら僕ももう庇えないからな」
低く呟いたその声、単なる脅しとも取れないその言葉にりおんはその全てを悟る。
りおんはやっとの事でご主人様からの許しを貰う事が出来たが、最後の一絞りにご主人様は鞭で力強く彼女の真っ赤に腫れ上がったお尻を示しとして叩いてきた。
「あうっ!」
ご主人様が後ろで放つ鞭の動きがぴたりと止むとりおんは忽ち力が抜けてへなへなと引き寄せられるように上半身を付けていた絨毯の上に残りの下半身を付けて情けなく倒れてしまった。お尻を出したままのはしたなくて恥ずかしい姿を一々気に掛ける余裕すらない。
荒々しい息。りおんは半ば意識が飛んでいて、ぼんやりとしながら辛うじてここに留まる事が出来たが、まだ自分がこの意識を完全に手放す事は許されていなかった。
見慣れたご主人様の書斎をバックにしてそこにはご主人様の足が見えた。後ろから移動したのだろう。そのまましゃがみ込んでりおんを黙って見ている姿が視界に入る。
「酷いな」と、意味の解らない言葉を発してくる。
「………えっ?」
「片付けが余計に増えた」また更に解らないその言葉。「お前は本当に出来損ないかもな」
「んんっ!」
りおんはびくんと身体が震える。身体の中心にはご主人様の太い指が奥まで入ってきて汚れの知らないピンク色をした肉襞を刺激しながら狭い蜜壷を擦り付けてくる。
「や、ぁっ、あん、んあぁ……っ、はあ…ぁぁっ、あん、あ、の…ご…主人、様?」
りおんは理解できなかった。それは結びさえ付かない突然な行動に混乱さえしてしまう。
「何故、濡らす?僕はただ鞭を振るっただけだというのにお前のま○○は」
卑猥の言葉を含んだご主人様の興奮した声を聞いてりおんは忽ち真っ赤になっていく。
突如振り掛かってきた羞恥を煽るようにりおんのアソコはじゅんと熱くなり、ご主人様の立派な指でグロテスクな形をしたここは埋まっている筈なのに窮屈に押し込んだ圧力に押し出されて僅かな隙間からとろとろと零れるように糸を引いては絨毯の上に落ちていく。
「えっ、あんっ、あっ、んっ、んんっ……そ、それは……」
りおんはおろおろと困ってしまう。鞭の余りの痛さに感覚が麻痺したせいか、彼女は気付かなかったようだ。りおんがカップに入った中身を落としてその色に広がるように汚した絨毯の上にはまた新たな汚れができて、それは彼女の愛液の色で染められていた。ご主人様が荒々しく抜き差しを繰り返すとりおんはびくびくと止まらない震えが起きてくる。
「りおん、お前はこういう風にするのが好きなようだな」
ご主人様はりおんを静かに見下ろしながらそしてにやりと不気味に笑った。
end
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- 2007/04/24(火) 23:22:52|
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