naked blue

ちょっぴりえっちな恋愛小説のあるブログです。小説のみですが、仄かに一部R18となる大人な描写が散りばめられてます。


時間が経っちゃうと駄目なんですね

元々はここで更新をしていたのだからここでお知らせしておきたいと思います。一応後でサイト版にも書いておくけど。
突然なんですが、『slave』を終了させます。ここでは本当に突然だったりもしますが、あたしとしては数日前から終わらせようと思っていました。このまま放置し続けてもしょうがないかな、と。そして今日実行に移した訳です。
当初のものとは大分違ってしまった事からタイトルも変更です。『slave』は本編があってのものでしたし、本編を書かないのならタイトル変更をしないと可笑しい、と。一度でも読んだ事のある方なら解るかと思いますが、プロローグやインターミッションのみですとタイトルとは全然似ても似付かない話ですよね。だから。
新たなタイトルは『閉じ込められた硝子の心』です。しかし、我ながらタイトルセンスがないものですな(苦笑)。もうちょいいいタイトルとか思い付かなかったのでしょうか?
変更と共に、素材なども全て変更しております。旧ページに使われたものは全て削除。今日、急いで探しました(最初はそこまで変えようとは思わなかったので、やる事は相変わらず計画性がありません)。
あと、ラストをその場で直しました。あのままのラストはまずいので(続きがあるような終わり方をしているから)。だから本編がなくてもそれで成り立つというラストに仕上げました。

元々この話はプロローグとインターミッションのみ公開して、後に本編をスタートさせるという計画があったのですが、やはり時間が経ちすぎたのでしょうか?その間にも色々な話を動かしたり、そうしていく内に考えが変わってきたのかな?
こうなる事ならさっさと動かしておけば良かったですね。でも、動かさなかった時点でその時から書きたいという感情がなかったのかな?もしもあれば直ぐに動かせるだろうし、何かしら着手している。ネタとしてはちゃんと考えていたのですが、現に一行も書いておりません。
中止にしようと思ったのは、今でもこの話を書きたいという気持ちが湧いてこないのです。もしも少しでも書いていたらそれはそれで違った感情があったのかもしれませんが。
何せ、本編を一つも書いていない。いつかスタートさせようと思っていたのに、湧いてこないまま連載を放置した状態でいても仕方がないし、もう少し待てば書きたいという感情になるのかどうかすらも保証できないからこのような決断をしました。
どのくらいこの作品を待っていてくれている方がいるのかは判りませんが、楽しみにして下さった方には本当に申し訳ありません。

サイト版では修正を完了しておりますが、ブログ版はまだ着手しておりません。さて、どうしましょうか?やはり混乱を避ける為にもブログ版も修正しておいた方がいいのかな?
でも、サイト版では『slave』のページを消してしまったから記録として残しておくのもいいのかもしれませんね。
…本当にこういう選択はいいのかな?

  1. 2008/11/18(火) 00:54:26|
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slave intermission4 幸せのひととき

 あたしったら単なるお節介なのかもしれない、それは昔から。親しい子の好きな人を知るとあたしはつい手を差し伸ばしたくなってしまう。その恋が成功するのか失敗するのか全く考えないで首を突っ込んでしまうから後になって大変な事になるのもしょっちゅう。それで友達を失った事だってある。あたしとしてはそのような気が全くなくたって相手にとっては全く違った意味として捉えられるから。好きでもないのに好きだと思われたり。だからもう二度としないって思ったのにそれを何処で狂ってしまったのか。
 あの子が先輩の事が好きだって聞かされてまたあたしはお節介魂に火が点いた。自分が首を突っ込むのは何もいい事ばかりではない、といい加減学習している筈なのについついあたしは手を差し伸ばしてしまう。だけど今は少しでも広がっていた距離を縮めて両想いにさせようとその橋渡しを少しだけ手伝うだけとなっている。その後は本人に全て任せるという意向にしている。ここまで関わっておきながら後は知らない、といったら無責任な言い方なのかもしれないが、第三者には丁度いいような気がする。変に首を突っ込んで誤解されてまた友達を失いたくはないから。あれはもう二度としたくはない。
 だから今は静かに見守っている、彼女の動向を。近くでまたは遠くでじっと温かく見ているつもり、あたしは。後は全て本人の行動次第なのだ。その恋を成就させるか否かは。
 でもそれだけで本当に満足しているのかな?実際に好きな人が側にいるのにただマネージャーをしているだけで。それだと伝わるものも全然伝わらないよ、折角今以上に近付けるチャンスでもある訳だし。もしもそれがあたしならとても耐えられないな。

 今日もまた放課後には当たり前のように部活があった。十分間の休憩時間三回を除けばほぼぶっ通しで行われる。今は休憩時間三回目、つまりラスト。プールから次々と上がった部員をマネージャーである彼女はてきぱきと動いて次々と部員にタオルを渡している。
「はい、タオル」
 タオルを持って彼女が差し出してきたのであたしは当たり前のように自然に受け取ると水に濡れた顔を拭いて長時間浸かっている事によって冷たくなった身体に滴る雫も拭いた。
「ありがと」
「いつも頑張ってるね」
「それはあんたもでしょ。マネージャーになってからもう一ヶ月経つけど、慣れた?」
「そりゃあ毎日のようにあれば慣れない方が可笑しいよ。大変だけど楽しいよ」
 それもそうだ。部活は週の真ん中にある水曜日を除けばほぼ毎日のように部活をやっている。その水曜日が土日以外では唯一のお休み日だ。だからこそこの日を迎えた時には一番嬉しかったりもする。放課後になると今日は何しようかな〜、とか朝から考えている。
 そもそもあたしがこの水泳部に入部したのも昔から水泳と共に歩んできたとかそういう訳でもなく、偶々同じクラスで友達になった子がそういう子でもあり、あたしの学校では必ず一つの部活動に入らなくてはいけないという決まりがあったものだからその時は特に入りたいものがなかったあたしは友達に勧められるがままに入って現在に至るという訳だ。
 あたしにはよく判らないけど、ここは伝統のある水泳部らしく、学校の方も他の部活動に比べたら結構力を注いでいる。何か実際にOBで有名な人を輩出させたとか。
 そんなに歴史のある部活ならここを室外じゃなくて室内にしてくれた方があたしとしては一番嬉しいんだけど。夏とか暑い季節にはいいのかもしれないが(でもそれはそれで問題だったりもする)、冬とか寒い季節になるとここは当然使えなくなり、かといって冬のみ部活動そのものが休みになるのかといえばそうでもなく、当然冬にも部活動はある。その季節だけ学校から歩いて一時間程の距離にある市民プールに態々移動しなくてはいけないのだ。まぁその間を運動だと割り切れればいいのかもしれない。だけどあたしは正直この時間を無駄にしているような気がする。それなら直ぐに泳いで今の最高タイムをもっともっと縮めたいものだ。ただでさえあたしは皆と比べたら遅咲きデビューであるのだから。
 ちなみに彼女をマネージャーとして誘ったのもあたしだ。勿論彼女が先輩が好きなのを知っている訳だし、このままだと何の接点もないまま儚く散ってしまうのは明らかであったから恋のキューピット役を勝手に名乗り出たあたしが手を差し伸ばしたというわけ。
 そもそも彼女が入る前のマネージャーが家庭の事情で急に辞めた事によって部はその人の替わりとなるべく有能なマネージャーを急遽探す事となった。それも今まではその人が部員の管理を全て行っていた訳で、凄く出来る人でもあったから部に支障を来たさない同等のレベルの人を求めていたものだからいざ彼女を誘って入部させる事に成功したものの、右も左も解らない彼女が一から覚えなくてはいけない事も沢山あった訳だし、この日まで見えないところでは大変であった筈であろう。マネージャーは裏から部員を支えるサポート的な役目とはいえどもやる事もいっぱいあって意外と大変な役割だった。
「マネージャー」すると近くで彼女を呼ぶ声がした。
「行っておいで」相手があの人である事が解るとあたしはにやにやと笑って手をひらひらと振りながら彼女を見送った。
「もう〜」
 そんなあたしのからかいを理解した彼女は頬をほんのりと赤くさせてあたしを睨み付けながら急いで向かった。それは彼女が密かに想いを寄せている先輩の元へと。
 この時間が彼女の中で一番生き生きしているようにも見える。それに彼女は今恋をしているのだ。しかもその人は近くにいる。今現在先輩と唯一話せる場所でもあるから余計に。
 もしも前のマネージャーが辞めなければ彼女に一生このような機会すら与えてはくれなかっただろう。その人には申し訳ないが、辞めてくれて本当に感謝している。それにあの人も全然そのような素振りさえ見せてなかったけど、どうも先輩には特別な感情を向けていたようだし、告白もした事があるって噂で聞いた事がある。もしもそれが本当だとしたらその人は先輩に振られたのではないのだろうか。その後、先輩の影には誰か彼女がいるような感じもないし、理由は家庭の事情とか言いながら本当は先輩と一緒にいるのが辛くて辞めたのではないのだろうか。余程割り切ってなければ一緒にいられるなんて到底無理だろうし、決してなくはない可能性。でもそれは本人にしか知らない事でもあるし、あたしはそんなに親しい程でもなかったからそこは訊くにも訊けない領域でもあった。
 だからこそ今がある。彼女がここにいられるのも。先輩と一緒の部活であるのも全てはあたしの陰謀。まぁ本当のところをいうと、顧問は無経験の彼女に対して余りいい顔をしてなかったんだけど、そこはあたしの言葉巧みな話術で何とかさせたのは勿論内緒です。
 だけど、あたしは唯一の計算外があったりもする。見た目通り普段から彼女は大人しく、余り積極的のある女の子ではないから何となく想像はしていたけど、やはり本人を目の前にしてしまうと全然喋れないこと。自分からはまず話し掛けようとはせずに先輩から話し掛けられたら必要最低限の事を口にするだけ。それ以外の事になると殆どないに等しい。
 あーっ、見ているだけでもじれったく感じてくる。もう横から口を挟んで手助けしたいって感じ。今まで封印していたお節介魂が今にも出てきそうだ。
 でもそれを本人は望んでいない。あたしは一度だけ「チャンスを作ってあげようか?」って口にしてみたんだけど、本人は「あたしは今の関係で満足しているの。先輩の側にいられるだけで…」と言われた以上は何も口出しは出来なかった。
 それで本人が満足しているのなら。その先の事になると本人の問題でもあるし、第三者がとやかく言う権利はなかった。またあの時の二の舞にでもなったら大変だしね。
 だったら見守ろうじゃない、彼女の恋の結末が出てくるまで静かに――。

end

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  1. 2007/09/29(土) 23:39:49|
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slave intermission3 君のとなり

 その視線に気付いたのはいつだっただろうか。何も言わず、俺をただじっと見詰める一つの視線が。その子とは普段から余り喋らずに部活動で言うならば先輩後輩の関係だった。
 もしかしたら俺の事が好きなんじゃないか、ってそう思ったのも大して時間はかからなかったような気がする。そりゃあ最初は自分の思い違いって事もあるだろうし、確信こそ抱いていた訳じゃなかったが、それは毎日のように近くでじっと見られてはそれでいて気付かない方が可笑しい。きっと彼女は細心の注意を払って他の部員にもちゃんと目を向けながらも俺にはそれらと違った視線を向けてくる。憧れや恋心の混じったものがそこに。
 そう毎日見られたら気にこそなってくる。最初こそは変な奴、ってそう思ってもその意味に一度気付いてしまうと。気になって彼女には気付かれないように俺もずっと見ている。
 だけど互いに一歩も近付こうとしない奇妙な関係。気付いてから軽く一年は経っているというのに。互いに自分達の行動によって和やかに保たれている部員の輪を無意識に乱したくない、とそう思っているのだろうか。俺もだけど彼女も。彼女が近付かないのなら俺から近付こうとするのは簡単だったけど、何故かそうするのを許されていないような気がして。もしかしたら彼女はただ俺を側で見ているだけで満足なんじゃないかって気付かされて俺は踏み出しそうになる足を思い止まってしまう。一度そんな顔を見てしまうと。

「あいつ、可愛いよな〜」
 ある日、同じクラスの友達が何気なく言ってきた。俺はそいつの言われるがままに視線の向けられた先を見てみるとそこにいたのは彼女、水泳部のマネージャーをしている彼女。
 次は移動教科だろうか。学校に大半いる教室を出て第一校内と第二校内を結ぶ渡り廊下にて親しい友達と仲良く喋りながら歩いているところを友達によって目撃する事が出来た。
「…………………………」
 俺は思わずじっと彼女を見ていた、一度彼女の姿をこの目に捕らえると周りに入ってくる様々な視界を全て無視してその先に映り込む彼女一人を注目する。上から見詰めていた視線に気付かないまま彼女とその友達は第二校内へと吸い込まれるように入っていく。
 友達の発言は間違いなかった。確かに彼女は可愛いと思う。小さくて頼りないところが却って守ってあげたくなるようなタイプ。それは男が好きになるような女。下手すれば逆に女に嫌われるような女。彼女の場合は自分に気付いていないからまだセーフのようだが。
 だが、俺は少し軽いショックを受けた。そこで初めて見た彼女を目の当たりにして。学年が違うせいか、普段は部活動でしか顔を合わす事がなかったのだが、自分の前ではそんな笑顔を一度も見せた事がなかったのに友達の前では自然でいられる事が。好きな人の前だとやはり緊張するのだろうか。特に彼女のような比較的大人しい女であると。
「やっぱり男とかいるのかな?あれだけ可愛いと」
 窓に肘を掛けながらぽつりと口にする。友達は一人物思いに耽っては溜め息を吐く。独り言にも近い呟きが耳に入った俺は一時思考を中断させてふっと現実世界へと舞い戻る。
「確かいない筈だ。何も浮いた噂は一つもない」
 これは事実なので嘘偽りなくちゃんと答える。だが、彼女の想い人については敢えて伝えない。だって俺にずっと片想い中だし、友達の真意がまだ見えない以上は。
「へぇ〜意外だな。今はフリーなんだ。俺、誰か付き合ってる男とかいるかと思った」
「人を外見で判断させるのは間違っていると思うが」顔がいいからってそういった事が絶対だとは有り得ないのだ。「そういう認識はやめた方がいい」俺には到底理解できない。
「ふ――ん。いないんだ、男」それは何処かほっと安心した声。
「いないと何がいいんだ?」
 何やら嫌な予感がした、友達の態度が。ざわざわとし、変に当たる勘がそう呼んでいる。
 もしかしたら本気で想っているのだろうか。俺を好きでい続ける彼女を。
「お前、俺に何か頼もうとしているだろ」
 だが、それを表に出す訳にもいかない。今にも暴れそうになる感情を必死に抑えてここは平静に装う。下手に感情を悟られないよう友達の様子を慎重に見ながら事を進めていく。
「ビンゴ。お前と一緒だったよな、彼女の部活動って確か」
「ああ。彼女はマネージャーだし、慣れない事も多いかと思うけどよくやってると思うよ」
「一番近いよな」
「近いって何が?」
「俺よりは彼女との距離だよ」
「まぁそう言われると近いといえば近いが、そんなに親しいものでもないよ」
 これもまた事実。親しいといえば俺よりも彼女の女友達の方が親しいだろう。彼女がマネージャーとして水泳部に入るきっかけとなったのも既に所属していた友達の介入があった訳だし。それが今となれば片想いの相手がいるからという不純な動機があったようだが。
「でさぁ、ダチであるお前に一生で一度の頼みたい事があるんだよね」
 普段から人に頼ろうとしない友達が珍しく人の目の前で両手を合わせて頭を深々と下げながら頼み事をしてきたから俺が脳裏に抱いた嫌な予感は一瞬で現実へと帯びてきた。
「断る」少しの猶予も与えない。「俺、そういうのやった事ないし、自信ないから」
「そんな事言うなよ〜」透かさずやってくる不満。「お前だけが頼りなんだからさ」
「頼られたってこっちが困る。そういうのって面倒なんだよ。友達の橋渡しなんて御免だ」
 それは小さな抵抗。遠回しに自分が彼女を好きだって言っているものと同じだったが、友達が気付く様子はない。それに俺は今好きでもない女と付き合ってると思っているから本当に好きな相手が彼女だとは到底結び付く筈がないだろう。つまり利用している、俺は。
「お前は彼女持ちだからいいけどさ、俺の周りには誰もいなくて毎日毎日寂しい思いをしてるのよ。お前には俺の気持ちが解るまい」下唇を尖らせて面白くなさそうにしている。
「失えばその気持ちも解るだろうな、きっと。 第一そんな事をぶつぶつ言っている暇があったら人に頼ろうとしないで自分で努力しろ。男のくせに情けなくないか?」
 俺は態と友達を突き放す。これ以上続けるのも苦痛で、いい加減続いていた話もここで終わらせたいものだ。下手に話を進めて手遅れとならない内に自ら終止符を打つ。
 もしもそこに自分が入ればもう自分に脈がないと思って彼女に誤解されるのは間違いないし、万が一二人が付き合い出した事にでもなったら誰よりも俺が耐えられないだろう。彼女が自分に向けてくる視線に気付いてから気になっている自分がそこにいるのだから。
 だが、俺は自分の気持ちに気付いていながらも他の女と付き合っている。偶々出会い系で知り合った女、彼女と少しそっくりな理由だけで心に出来た隙間を埋めて貰っているそんな気楽な関係。俺が他に誰か好きな人がいるのを知りながら了承してくれた彼女とはずるずると続いている。普通だったら自分を第一よりも第二にされて許せない事だというのに年上の余裕なのかは判らないが、俺が今もここにいるのを許して貰っている。
 だからこそこの環境もあり、まだその彼女との関係を解消させていないから俺はなかなか一歩前へと進めない。本当なら彼女が他の誰かに横取りされるような形で奪われる前に進んで自分がこの手で奪いたいというのに俺は平行線を保ち続けながら様子を窺っている。
 もしかしたら彼女に本当の事を知られて嫌われるのが怖いのだろうか。彼女の知らないところでしている本当の自分を。相手に対して酷い事を平気でしている自分を。
 そこで初めて知った臆病な自分がいた。この時になって初めて気付かされた一面。怖いのだろう、それが彼女の耳に入ってしまうのが、この事実を知られて嫌われてしまうのが。
 それは元々自分で蒔いた種だ。それを駆らずにいるのは自業自得ともいうのだが、その彼女を見ていてぽいっと簡単に捨てられないでいる自分がそこにいるから更に厄介だった。
 自分に恋する資格などないのかもしれない、そのような卑怯な事をしていると。人の見えないところでこのような事をしていれば誰だってそう思うだろう、きっと。
 でも、彼女を影でひっそりと好きでい続ける事には許してくれるだろうか。多分誰かをここまで好きになれたのは彼女が初めてだった。相手に対して真剣な気持ちを抱けたのも。

end/intermission4

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  1. 2007/08/14(火) 23:04:35|
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slave intermission2 さよなら大好きな人

 もしも自分に少しでもチャンスがあるのならそれ以上に見て欲しかった。それは何処にでもいる多くの女性としてではなく、あたし個人を特別視された大切な人としての。
 初めて彼を見た瞬間からあたしは強くそう思った。そこには大きな年齢差が生じても初めから答えは決まっていた。彼の指定席に座りたい、彼をあたしが独占したい、と。
 だが、現実とは残酷なものだ。身体は互いに通じ合っても未だに心だけが一方通行だけで通じ合ってない。あたしが密かにそう願っても彼はそれ以上に見ていないのだから。
 あたしの扱いはあの時から全然変わらない。あの頃は丁度彼氏に振られたばかりで、そこに出来た隙間を誰でもいいから埋めて貰おうと偶々覗いた出会い系で彼と知り合った。それからもう数年の年月が経過してもあの時から一歩も前進しない。あの日からずっと無駄に足踏みだけを繰り返している。「好き」だとか「愛している」とかベッドの中で言ってくれてもそれは心にも篭ってない薄っぺらな愛情だった。まだあたしが子供だったら彼の言葉を鵜呑みにして騙されていたのかもしれないが、あたしも無駄に年を取ってしまった。
 ただあたしは彼の中で数多くいる内の一人。今もあたしは彼の正式な彼女ではないから。つまりあたしは身体だけの関係。しかも相手は昨日卒業したばかりの中学生。酷く大人びて、女の扱いには慣れた危険な香りのする綺麗な男の子。一瞬でも彼に抱かれる事を考えただけであたしの身体は直ぐ熱くなってしまう。彼と繋がるここがひくひくとさせて大人しくしてくれない。その時は決まって自分の身体を慰めてこの熱に消火活動を行っていく。
 正直あたしはまさか彼が中学生だとは思わなかった。中学生にしたら背も高く、最初は大学生ぐらいかなってそう思った。まだ制服を着ていたら幾等外見が大人っぽくたって渋々納得できるだろうが、まさかこんな夜遅い時間に補導の目印となる制服などを着る訳もなく、カジュアルな服装を着こなしていたから全然判らなかった。だからこそ自分から言わなければあたしは一生彼が中学生なんて気付かなかったと思う。だけど彼は何を思ったのか、初めて会った当日に自分がまだ中学生である事をカミングアウトしてきた。
 メールをその場で何通かやり取りし、当日に約束を取り付けて実際に会ってから僅か数十分、まだ相手がどんな人でさえも全く判らないというのに、自分を包み隠さず話してくれた事で更に好感を抱き、あたしが彼に嵌まるまでにそれ程大して時間は掛からなかった。
 だが、親が折角大学まで出してくれて社会人になっていい年にもなったあたしが何を馬鹿な事をやっているんだろうって時々思う。こんな関係をずっと続けていたって何の得にもならないって心の中ではそう思ってもずるずると彼との無意味な関係を今日まで続いている。結局あたしは彼を嫌いにはなれずにいつも受け入れてしまうからもう何年もこのような関係が現在進行中で続いているのだ。そこで彼を嫌いになれたらどんなに楽な事か。まだ何処かで好きでい続けているから彼を手放せずにいる自分がそこにいる。
 でもそのまどろみな関係が永遠にある訳じゃない。彼と身体を重ねるだけで心地良いとも思える関係が何も約束などをされてなければいつかきっと終わりがやってくる。

 目覚まし時計が鳴った。朝の八時、毎日この時間に規則正しく部屋の主を起こしてくる。それは同時に一日の始まりを知らせるものでもあるし、それは彼との最後を意味している。
 起きるまでずっと叩き付けてくるその音。あたしは正直その目覚まし時計を止めたくはなかった。止めれば別れの瞬間が刻一刻と迫ってくるのを実感してしまうから。
 今日があたしにとってどういう意味を齎すのか解っているくせにどうしてあたしはそれをセットしてしまったのだろう。毎日当たり前な癖を今更ながらに恨んでしまった。
 あたしはそれを無視した。毎日聞き慣れた目覚ましで夢見心地な気分から一瞬にして現実へと引き戻されて目が覚めてしまったが、あたしは絶対に目を開こうとしない。ここに目覚ましの存在なんか初めからなかったようにあたしは狸寝入りを続けた。
 だが、それは残酷なものであれだけ五月蝿く鳴り続けていたものが突然止まった。一度セットした目覚ましを止めるかもしくはある一定の時間が過ぎるまでは止まってくれはしないのに部屋に響いていたけたたましい音が一瞬にして静かになった。
「朝だよ」すると起きているのに寝たふりをする人の身体をゆさゆさと揺らしてくる。
「いや。まだ眠たい」起きたら現実を見なくてはいけないからあたしは小さな抵抗をする。「それに今日は会社を休みにしたから起きて支度などしなくてもいいの」
「それは昨日も聞いた」
「じゃあ問題はないわね」と、あたしは言って毛布を頭まで被って再び眠ろうとしたが、頭から足の爪先まで隠していた毛布を彼に奪われてしまった。「さむっ!」
 身体にぶるっと震えが起きた。今は春が近付いている時期ではあってもまだ朝は冬同様に寒かった。それにあたしは何も身に着けておらず、裸だったから余計に寒さが広がる。
「じゃあ起きたら?」
 側で呆れる声が上から降ってくる。何も着たりしなければ彼もまたあたしと同じように裸。今回でもう二度と会う事もないからご飯も食べずにずっと身体を重ねていた。
「解ったわよ」彼に言われてあたしは渋々起きた。「だからそれ、返して。すっごく寒いの」
 部屋には暖房すら入っておらず、昨日は直ぐベッドに入っていたのでずっと入れてなかったからここはひんやりとして寒かった。このままでいると風邪の一つでも引きそうだ。
「いいよ」それなら毛布をあたしに渡してくれればいい筈なのに何故かやってきたのは彼。「あげる」
「ちょ、ちょっと」言われて折角起きたばかりなのにあたしはベッドに戻されてしまう。
「俺も一緒に」
「ん……っ、くっ」
直ぐにやってくる彼。顔を近付けてそのままあたしの唇を塞ぐ。ぬるりと唇を割って入り込んできて、あたしの舌を一度捕らえると絡め取り強く吸っては感覚を痺れさせる。
「まだ時間があるから」
 彼が笑った。大人びた外見とは正反対な無邪気な笑顔を見せてくるから胸がどきんとする。いつもはベッドであたしを翻弄させるのに…。急に中学生に戻ってしまうのは反則だ。
 あたしは頭がぽーっとしながら彼を見た。目の前から彼の姿が消えて首筋に少し痛い感触がくる。一度この身体に触れられてしまうとあたしは何も言えなくなって流されるまま彼にその身を委ねてしまうのだが、今日はいつもと違った。きっと今日があれだから。
「あたしの事なんか…好きじゃないくせに」
 最後の日に初めて抵抗した。残りの時間でさえも今は限られているのに。ここに彼がいられるのも今日が最後で、もう二度とかりそめな関係を築く事でさえ永遠にないのに。
 尾を引かせないように最後ぐらい笑って見送って綺麗に別れなきゃ、下手に喧嘩腰となって気まずくなったまま何とも中途半端な形で終わらせたくないからって数ヶ月前にこの日を知らされた時からずっと心に決めていたのにあたしは全く正反対な事をしている。
 酷い女だ、あたし。あたしは最後の最後で彼に嫌な思いをさせている、きっと。表面上にはでなくても。そうさせてしまったのもずるずると引き摺らせたこの関係の皮肉な結末。
「何で?」すると小さくぴくりと反応をして意外そうな顔をしながら人の顔を見てきた。
「解っているんだよ、あたし。考えたくもなかったけど、全部ね」
 身体目当てだって事。気軽に身体だけ重ねて何も考える事のないそれだけの関係だって。それが本命だったら色々と考えなくてはいけない事をあたしなら一切排除できるもの。
「そこであたしが何も気付いてないとでも思っているの?」
 今までのあたしは常に従順となって従ってきた。それは初めから彼の求めるがままに。彼があたしを求めてきて、あたしが彼を求めるから。だから抱き続ける、この危うい均衡が保てられる。お互いの事は一切触れ合わない約束で今日まで続けられてきた。
「俺達は普通の関係とはちょっと違うからな」彼は小さく溜め息を吐くように苦笑した。
「そうね。だってセフレだもの」と、あたしは自虐的に笑った。
「でも、嫌いだったら最初で終わらせてるさ。あの時の一回きりで。幾等そういう関係でも好きな感情が少しでもなかったらこの日までずっと続けられる事はなかった」
 今までの中で一番心地良かった。だから今もこうしてここにいられるのかもしれない、と付け足すようにそう言っていたが、その言葉に何処まで真実味が含まれているのかは解らなかった。人は例え本心でなくても人の心を欺く為には平気でそのような嘘を吐けるのだから。あたし達の関係がそれ以上でもそれ以下でもないセフレである以上、それぐらい容易かった。今日で終わりが決まってる以上、この時点で本心を隠すのもどうかと思うが。
「だから感謝しているよ」

 あたしは密かに望んでいた、それ以上の関係を。いつかはこの関係から抜け出して今以上に特別な関係になれるのを。いつ切れても可笑しくない関係がずっと続いているとそのように思ったってそう不思議じゃない。望みがある、と信じて疑わなかった時もあった。
 もしも帰ってくるまで待っていて欲しいって言われたらあたしは一途に待ち続けていたのかもしれない。俺と一緒に来て欲しいって言われたら今の仕事、環境を捨ててまで彼と一緒に行っていたのかもしれない。それだけ本気だった、あたしだけは。
 だけど彼は何も言わなかった、あたしに一言も。別れの時が来るまで抱かれても。
 だからあたしはそれだけの関係なんだって悲しい程に再認識させられてしまう。
 気軽な関係も最後は残酷なものだ。そこにあってはならない余計な感情を抱いてしまっただけに。彼の目的は初めから一つだけだったのに、あたしは越えてはならないものをいつしか越えてしまった。初めからこうなるって解っていたらそこには全く違った世界があったのかもしれない。惹かれ合うように導かれてもあたし達は会ってはいけなかったのだ。
 あたしは彼に抱かれながら静かに涙が零れた。自分自身に対して余りにも悲しくて。
 彼の前で泣いたのは今日が最初で最後だった。この時はもう二度とない、訪れても欲しくない。自分の瞳から流れてくるものは決して嬉し涙ではないのだから。
「嘘吐きね」

end/intermission3

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  1. 2007/07/11(水) 23:36:24|
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slave intermission1 ゆびさき

 今もあたしの身体に深く染み付いている先輩の指先。
 卒業式の日に初めて先輩があたしに深く触れてきた。
 それはあたしの知らないところを、先輩が犯してきた。

 誰もあたしの痴態など知らない。夜中にこっそりと一人で行われる小さな儀式など。
 誰にも言える筈がない。こんな淫らになっていくあたしの事など。昼間とはまた違った自分がそこにいるなんて。
 口が裂けても言えない。多分、それが親しい友達であっても。もしもこんなあたしを知ってしまえば軽蔑されてしまうのが正直怖い。
 だけど止められなかった、それだけは。離れ離れとなっている今ではそれだけしか繋がりがないのだから。あたしに触れた先輩の指先を重ねて――。

 それが以前の自分だったら絶対にしなかった事だと思う。多少知識としてはあってもはっきり言ってそんなやらしいこと。違わない?自分の身体に触れて慰める行為自体が何だかえっちだし。それが以前なら躊躇いすら抱いていた。
 だけど、今は違う。そこに特別な意味がなければあたしは一生しないだろう。あたしが触れるのはそんな意味じゃない。
 忘れたくなかった、先輩の事が。あの時に初めてあたしに触れた先輩が。卒業式の日に先輩の教室で行われたこと。決して無駄にはしたくない。
 この日もきっと始まる、あの時が。あたしは先輩の指を忘れないよう、自分の指を代わりにして自分自身の身体に触れていく。

「んんっ、はぁ…っんっぁっ」
 そこはもうすっかりぐちょぐちょ。自身の身体の中心を刺激した事によってじゅんと甘く疼いていくのを感じ取り、そこは熱を帯びたように熱くなる。指先でそこを掻き回すとくちゅくちゅとえっちな音がしてあたしに羞恥を煽らせる。
 それでも止められずにあたしは続ける。あたしの指が幻となった先輩の指と重なって動いていく。すると自分の指先にまで蜜が滴ってきてそこには自分の体温とはまた違った生温かい感触があった。
「あぁっ…んぁっ、んっ……ああっ…ん……っ」
 途切れ途切れに小さく聞こえる喘ぎ声。絶対この声を第三者に聞かせたらいけない。
 あたしは毎日お風呂に入ってバスタオル一枚のまま自分の部屋に来ると何も着替えずにベッドに横たわったまま始める。
 その時、閉められたカーテンの奥から窓が少し開いていて、外から微かに入ってくる涼しい夜風に当たりながらバスタオル一枚の姿でいると時間が経つに連れて段々身体が冷たくなっていったのだが、それと反比例するように内部から徐々にあたしの身体が火照ってくる。窓が開いている事に気が付けば当然それをまずどうにかしなくちゃって最初はそのように考えていても一度自分の身体に触れてしまうとそれを中断する事ですら段々惜しく考えるようになっていつしかそんな事も考えていられなくなるとそのような余裕すらその時は既になくなっている。頭の中にはもうやらしい発想でいっぱいだった。
 もしも、こんなところを見てしまったら両親は一体どんな反応をするだろうか。まさか自分の娘がこんな痴態に浸っているなんて。このような場合はいつも内側から鍵を掛けているから万が一誰かが突然入ってくる事はないだろうが、もしも見られた時を考えると。
「はぁぁっ、んぁああっ……」
 今はもう夜だ。あたしは自分の声を抑えられる自信がないから枕に顔を押し付けてこの声が外に漏れないよう、細心の注意を払いながらあたしは行為に没頭する。それでも指の動きは絶対止まらない。それが逆に加速を増す。
 いやらしくもお尻を高々と突き上げて花びらの奥に触れる。ちゅっと指をすんなりと受け入れて身体に馴染んだそこ。愛液を指に滑らせて何度も律動を繰り返す。あたしは奥に指を進めて擦り付けては刺激する。
 最初は何処か控え目に動かしていた指の動きが段々大胆になっていくあたし。腰が揺れてゆっくりと動けば蜜壷にある熱く潤った滑りに乗ってずぶずぶと秘部が指を咥えて呑み込んでいく。
「ああっ、あっんっ、ぁっ、あんっ、あっ」
 指が掻き出される度に襞が捲れ上がってまるで電気のような甘い痺れが起きてくると腿がひくひくと小さく震える。下の中心を支える両膝に意識して力を入れていなければ自ら引き出す快感に起き上がっている下半身がそのままベッドの上に倒れてしまいそう。
 あたしは外にも溢れ出して内腿まで伝ってくる蜜を指に塗り付けて浅く裂け目をなぞりながらあの部分を手探りで辿っていくと硬く尖った花芽に触れればびくんと身体が小さく浮いて一瞬頭が真っ白になりそうだった。
「はぁぁぁっ」
 強くしてしまったら直ぐ遠い世界へとダイブしてしまうからあたしは中心から避けるように円を描きながら指でなぞっていく。自分で触れてみて初めて解った事なんだけど、どうやらあたしは一番ここが弱いみたい。このちっちゃな豆粒みたいなものが。
 その瞬間ってやっぱりもどかしくも感じる。周辺だけ触れてもメインを態と避けて焦らして触れずにいるから。でも最後は一気に止めをさす。ぐちゅぐちゅだったところが更にぐちゅぐちゅになってあたしのいた周辺がお漏らしみたいに濡らしてしまう。
「せんっ、ぱい…」
 あたしはふと遠い所に行ってしまった人の事を思い浮かべる。この身体に初めて触れてくれた先輩を。あたしの指なんか目じゃないってぐらいに太くて男らしい綺麗な指。
 その指をあたしはずっと求めている、あの時に一度だけ触れてくれたその指を。
 ここを許されるのは先輩だけ。それ以外の人がここに触れるのは絶対許されない。
 またあたしに触れて欲しい。そう思ってあたしは静かに自ら終止符を打つ。

 でも、それは一生続けていく事じゃない。いつかは終わりを迎える時期が来る。
 いつかここに戻ってきて今も変わらぬ想いを抱き続けてくれれば何も必要などないから。
 先輩の指先がいつもそこにあるから。

end/intermission2→

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  1. 2007/06/13(水) 23:49:21|
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